Zircotecの技術や製品に関して、よくあるお問合せをご紹介致します。
- プラズマ溶射法とはなんですか?
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Zircotecが開発したプラズマ溶射法は、超高温で行われる専門的な工業プロセスで、英国の原子力産業で最初に利用されました。
溶射の方法は、作動ガスの中にアノード陽極とカソード陰極間の直流アーク放電により10,000℃を超える高温を発生させ、その熱で固体であるセラミック・コーティングの材料を溶かしながら、コーティングする部品に直接溶射します。このプロセスは慎重に管理されているので、溶射された熱い溶融セラミックが部品の冷たい表面に接触する瞬間に、セラミック・コーティングが固まって部品の表面に強く結合します。 - Zircotecのセラミック・コーティングはどんな材料に施工することができますか?
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ステンレス鋼・軟鋼・鋳鉄・アルミ・チタン・インコネル・ニッケル・銅・黄銅など、様々な種類の金属に施工可能です。
また、カーボンファイバーやグラスファイバー、プラスチックなどの複合素材にも施工実績があります。
複合素材に関する更に詳しい情報は こちら をクリックしてください。 - セラミック・コーティングの寿命はどれくらいですか?
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Zircotecのセラミック・コーティングは、160,000kmの公道使用を想定する厳しい開発試験を受けます。パフォーマンス・ホワイトやパフォーマンス・カラーなど全ての製品には3年保証が付いています。この保証には走行距離の制限がありません。モータースポーツで使用する場合は、保証期間は1年となります。 - 他の会社はZircotecと同じようなコーティングを提供していますか?
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いいえ。特許技術であるThermoHoldR 技術を利用したコーティングが提供できるのは、唯一Zircotec社だけです。
他社には、主に部品の見た目を良くすることを目的としたセラミック塗料がありますが、この製品は遮熱性能が低く、Zircotecのセラミック・コーティングとは大きく異なります。
その他にも、ジルコニウム酸マグネシウムやプラズマ溶射のコーティングがありますが、これも材料やプロセスが異なるため、耐久性や遮熱性能がZircotecのコーティングには劣ります。 - Zircotecのセラミック・コーティングは他の工場などで施工できますか?
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Zircotecのセラミック・コーティングを正しく施工するには、専門的な設備や環境が必要です。その上、プロセス及び材料は特許で保護されているため、Zircotecのコーティングを施工できるのはZircotec社だけです。 - 中古部品にもセラミック・コーティングを施工することはできますか?
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新品の部品は勿論、中古部品や腐食した部品などにも施工することができます。 - コーティングする部品の表面は、自分で下処理しなければなりませんか?
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いいえ。材料表面の清掃及び下処理は、Zircotecのプラズマ溶射プロセスの中で不可欠な要素です。金属の部品にコーティングを施工する前は、錆びや塗膜、汚れなどを全て除去するために、グリットブラスト技法により各部品を清掃しています。 - 一般的にコーティングの作業時間はどの位かかりますか?
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コーティングの作業は最大で3週間かかります。輸送期間を考慮すると、納期は約1ヶ月程度となります。 - セラミック・コーティングはどんな色がありますか?
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セラミック・コーティングの標準仕上げ(パフォーマンス・ホワイト)は乳白色ですが、お客様のニーズに合わせて幅広い範囲の色の仕上げから選択できます。
詳細は パフォーマンス・カラー の製品情報をご覧ください。 - Zircotecのセラミック・コーティングとセラミック塗料の違いはなんですか?
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一般的なセラミック塗料(耐熱塗料)には約30%のセラミックが含まれています。このセラミックは顔料を保護したり、塗料の寿命を延ばしたりしています。このような塗料は主に見た目や表面の保護、錆び止め等のために利用されますが、遮熱をする性能も併せ持っています。
しかし、セラミックの含有量が低く、塗装の厚さも十分ではないので、その遮熱性能は非常に限られています。
つまり、液体セラミックとしても知られているこのセラミック塗料と、非常に高い遮熱性能を誇るZircotecのセラミック・コーティングとは全く異なるものだということです。 - Zircotecのセラミック・コーティングの厚さはどのくらいですか?
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Zircotecのセラミック・コーティングは、通常の耐熱塗料に対して約10倍の厚さとなる0.3mmの皮膜ができます。また、耐熱塗料に入っている溶剤や結合剤が含有されておらず、セラミック(主にジルコニア)がセラミック・コーティングの重さの99%を占めています。 - セラミック・コーティングのメンテナンスはどのようにすれば良いですか?
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セラミック・コーティングは、水で湿らせた布で汚れをふき取ることができます。汚れが酷い場合には、中性洗剤を使ってください。化学洗浄剤や研磨洗浄剤は絶対に使用しないでください。 また、パフォーマンス・ホワイトは吸収性があるためコーティングが多少汚れる場合がありますが、この汚れは性能には悪影響を与えません。しかし、外観を重視する場合には、パフォーマンス・カラーをお勧め致します。 - Zircotecのセラミック・コーティングは、排気システムのどの部品に施工できますか?
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Zircotecは、エキゾースト・マニホールド、マフラー、テールパイプ、タービン、触媒コンバーターハウジングなど、排気システムのあらゆる部品にセラミック・コーティングを施工できます。 - Zircotecのセラミック・コーティングは、排気管の内面に施工できますか?
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いいえ。Zircotecは、基本的に排気システムの外面だけにセラミック・コーティングを施工しています。一般的にエキゾースト・マニホールドの内部は、1,000℃を超える温度、20m/sの速さで流れる排気ガス、さらには振動や激しい温度と圧力の変動などがある非常に厳しい環境です。 Zircotec社は、パイプやマニホールドの内面にはコーティングを塗りません。 何故なら、これらの部品の内面は十分に下処理ができないので、コーティングがうまく結合しないからです。コーティングがしっかり結合していないと、結果的に排気システム内の厳しい環境下で、コーティングが剥がれてタービンや触媒コンバーターなどの部品に損害を与える恐れが生じてしまいます。 また、内面のコーティングや塗料は排気ガスの流れを制限し、エンジンの性能に悪影響を与えます。段差やざらつきを無くすために、排気システムの内面を磨くことは可能ですが、上記の理由からZircotec社は、コーティングなどは何も付けない方がいいと考えます。 - Zircotecのセラミック・コーティングは錆び止めの効果がありますか?
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はい。Zircotecのセラミック・コーティング、特にパフォーマンス・カラーは錆びを防ぎます。 - 錆びを防ぐために、マニホールドの内面にセラミック・コーテイングを施工する必要がありますか?
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いいえ。マニホールドを通る排気ガスは酸化気体ではなく、還元性の高いガスなので、マニホールドを錆びから守ります。さらに、マニホールド周辺は高温の排気ガスの影響で水が凝縮しません。しかし、エンジンを短い時間しかかけない場合は、マフラーなどの部品は熱くならないので、排気ガス中の水分が凝縮してマフラーに溜まり、テールパイプの方から入った空気と反応しマフラーを錆びさせてしまうことがあります。 - 排気システム以外に、自動車やオートバイのどんな部品にZircotecのセラミック・コーティングを施工できますか?
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お客様の要望に応じて、Zircotecは性能の向上や外観を良くするために、インテーク・マニホールドやインテーク・パイプにセラミック・コーティングを施工した例があります。しかし、排気システムとは異なり、吸気システムに施工してもエンジンの性能は大きく向上しません。 - Zircotecのセラミック・コーティングはクラシック・カーにも使えますか?
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はい。Zircotecのリキッド・ブラックはクラシック・カーの使用に最適です。リキッド・ブラックは仕上げがとてもきれいで、見た目がオリジナルの状態に近くなります。また、排気システムの温度もエンジンルームの温度も下げますので、キャブレターでの燃料蒸発の可能性が低くなり、信頼性が高まります。 - Zircotecのセラミック・コーティングはエキゾースト・バンテージとどう異なりますか?
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英国の自動車雑誌がZircotecのセラミック・コーティングとエキゾースト・バンテージを比較した独自の調査を行いました。 この調査結果によると、エキゾースト・バンテージは新品時にはセラミック・コーティングとほぼ同じ性能を発揮しています。しかし、エキゾースト・バンテージは使用期間が長くなるに従い性能が下がり外観も悪くなるため、定期的に交換する必要があります。しかし、セラミック・コーティングは、長く使っても、性能も外観も殆ど変わらないため、定期的に交換したり、整備する必要がありません。 - 腐食やひび割れを防ぐためにステンレス製のマニホールドにはエキゾースト・バンテージを巻かないように言われました。Zircotecのセラミック・コーティングもステンレス製の部品に施工しない方が良いのですか?
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Zircotecはステンレス製のエキゾースト・マニホールドや排気システムにセラミック・コーティングを施工していますが、今まで問題が発生したことはありません。 ステンレス鋼はある特定の状況下では速く腐食していきますが、Zircotecのコーティングはこのような腐食やひび割れを防ぐのにも役立ちます。 材料や溶接の品質が悪い場合、コーティングのないステンレス鋼は「粒間腐食」が速く発生することがあります。また、塩化物が高応力下のステンレス製部品をボロボロになるほど激しく腐蝕させる「塩化物応力腐蝕割れ」という現象もあります。 エキゾースト・バンテージには塩化物が含まれているので、熱くなると表面から塩化物が出ます。つまり、エキゾースト・バンテージ自体が排気システムに「塩化物応力腐蝕割れ」を引き起こす可能性があるということです。 よって、ステンレス製のエキゾースト・マニホールド及び排気システムにはエキゾースト・バンテージの使用はお勧めできません。 - Zircotecのセラミック・コーティングを施工すると、排気システムの温度はどのぐらい下がりますか?
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パフォーマンス・カラーやパフォーマンス・ホワイトのコーティングは一般的に表面温度を30~33%下げています。つまり、コーティングのない排気システムの平均表面温度が600℃であれば、Zircotecのコーティングを施工すると平均表面温度が400℃に下がります。 排気システムの温度低下に伴い、エンジンルームへの放熱が減り、排気システムの近くにある部品の温度も下がります。英国のDamaxレースエンジニアリングのテストでは、エンジンルームの温度が最大で50℃下がったということが実証されました。 - 排気システムにZircotecのコーティングを施工すると、エンジンの性能が上がりますか?
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はい。エンジンルームの温度が下がると、必然的に吸気温度も下がるため、結果的にエンジンの性能が上がります。 例えば、吸気温度が30℃下がると、エンジンの出力が6%上がることがあります。他の事例では、エンジン効率の向上により、燃費が良くなるというテスト結果も出ています。また、排気ガスの温度を保ちますので、排気ガスの流れがより滑らかになり、掃気性能が上がります。 この効果は全てのエンジンに当てはまりますが、2サイクルエンジンの場合は顕著に表れます。ターボエンジンの場合、排気ガスの温度を保たれると、ターボーチャージャーがより速く立ち上がり、レスポンスが良くなります。 また、部品の寿命が延びるので、エンジンの信頼性も向上します。 - セラミック・コーティングを施工した場合、シリンダーヘッドの温度は上がりますか?
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いいえ。エキゾースト・マニホールドから出る熱の大部分は、熱い排気ガスとともにシリンダーヘッドから流れ出ます。高温の排気ガスの影響でエキゾースト・マニホールドや排気システムは熱くなりますが、セラミック・コーティングを施工すると部品からの放熱が減ります。その結果、より多くの熱が排気ガス中に残り、熱をエンジンやシリンダーヘッドからより遠くへ運んでくれるようになるので、シリンダーヘッドの温度は必然的に低くなります。